日本介護支援協会で認知症予防「ミッケルアート」の講演をさせて頂きました。
◼︎講演内容
「ミッケルアートによる認知症予防の方法」
ミッケルアートには昔懐かしい絵が描かれています。
それを見ながら、週2回、20分程度使って思い出話をすることで、認知症の周辺症状が緩和する効果があります。
◼︎ミッケルアートとは
ミッケルアートには昔懐かしい絵が描かれています。
それを見ながら、週2回、20分程度使って思い出話をすることで、認知症の周辺症状が緩和する効果があります。
【事例1】 「昼夜逆転」の改善
昼夜逆転のある方が、 日中に活動的になり、良眠できるようになりました。
『中学校の絵』を見たことががきっかけで、他のご利用者の話に関心を示すようになりました。その後、他のご利用者とも馴染みの関係ができたことにより、他のレクリエーションにも積極的に参加されるようになりました。
(介護度5 認知症自立度 IV 寝たきり度 B2)
【事例2】 「帰宅願望」の改善
帰宅願望のある方が、 集団活動に参加できるようになりました。
ミッケルアートに参加する度に、「目が良かったら編み物や仕事がしたい。涙がでる
ような話しをしてくれてありがとう。楽しいね。」という発言をされていました。
次第に、職員の話しを聞いて下さるようになりました。
(介護度5 パーキンソン病 )
【事例3】 「徘徊」の改善
夜間に徘徊される方が、 日中に活動的になり、良眠できるようになりました。
昼間に活動的な時間をつくることで、夜は睡眠をとる習慣ができるようになったと感じます。職員間での意識が変わり、関わりを増やしたり、誰となら相性が良いのかなど考えた結果、混乱や不安は軽減されたと感じました。
(介護度2 脳血管性認知症 )
◼︎エビデンス
191名の認知症高齢者を対象に、ミッケルアートの効果検証を行った結果、
周辺症状の緩和への有効性が確認されています。(1%有意)
・2013年 日本認知症ケア学会 石崎賞受賞
・2014年 日本認知症予防学会 浦上賞受賞
※平成 25 年度調査研究助成事業全国老人福祉施設協議会 老施協総研
◼︎研修を受講されたケアマネジャーの感想
・ミッケルアートを使うと、ご利用者の過去の経験や体験をお話ししてくれるようになり、 さらに、趣味趣向を深く知ることができました。
・ご利用者とのコミュニケーションツールとして活用できます。
・人や物が多く描かれている絵が豊富にあり、ご利用者との対談に飽きないです。
・昔の映画を観るよりも手軽にできます。1枚の絵をきっかけに話が広がり、 ご利用者同士の会話が弾むため、とても良いと思いました。
・レクとして行うだけでなく、根拠と目標をもって行い、評価をすることで、 スタッフのコミュニケーション能力の向上にもつながると思います。
・これまでは、周辺症状に対する認知症ケアしか学んでいませんでした。 ミッケルアートは、ご利用者の楽しみ、利用者同士の交流、心のやすらぎ、 ご利用者のやりたいことに繋げられるため、素晴らしいと思います。
・ご家族がご利用者と使うことで、ご家族との関係性をより良くする効果が 得られると期待します。