東京都内の保育園様でヒアリングを行いました。その結果を記載致します。
1. 子どもの世界観が広がるきっかけになるようなアートを描いて欲しい
普段いろんな人に出会うと、子どもはつい言葉に出してしまう。
・足がない人 「あの人、足がない」
・髪がない人 「あの人、髪がない」
・肌の黒い人 「あの人、黒い」
→いろんな人がいるということがわかるきっかけがあれば、子どもの世界観が広がるので
はないか。
2. 何気なく絵の中に世界の人を描く
・日本人に外国人が道を尋ねている絵
・日本人が外国人に道を尋ねている絵
→国旗を調べたり、地球儀を見たり、その国を知るきっかけに発展する。
→その国の食べの物の絵があれば、その国を知るきっかけにもなる。
→園には、多国籍の子どもがいるため、様々なきっかけでお互いのことを知ることができ
ると良い。
3. 園児に多い外国籍
・中国
・韓国
・バングラディシュ
4. 多国籍の題材
・食卓
・人
・住まい
5. 最近よくある子どもの態度を考えることができる絵
・にらむ
・嘘をつく
→これに対して、嘘をつくと困る人がいるなど、ネガティブなことをイメージさせるか、
嘘をつかない人というポジティブなイメージを伝えることで、ネガティブな行動を抑制す
ることはできないか。
6. 相手の気持ちを察する力をつけるため、表情だけの絵があっても良い
・喜怒哀楽の顔
→これを使って、「この子はどういう表情をしている?」と問いかけることで、子ども一
人ひとりの感じ方を知ることができるのではないか。
・図書館で騒いでいる絵
→客観的な視点の絵があり、笑顔で笑っている人、嫌な気持ちになっている人など描く。
7. 思いやりを考える絵
・妊婦さんの絵、子どもがお腹をなでなでしている絵、赤ちゃんがお腹の中にいる絵
→お腹の中に本当にいるとイメージさせれば、もっと優しい対応になるかもしれない。
・車椅子の人と話している絵
・電車の中で静かにしている絵
・図書館の中で騒いでいる絵
→周りの人は迷惑そうにしている。
→自分中心であることを客観視させたい。
8. 外国人の園児の対応
バングラディシュ国籍の子は、宗教上、豚が食べられず、体も他の園児に比べてとても大き
く、力が強かった。日本語がほとんど話せずに、教室を走り回る状況だった。
→子どもは見たままのことを言葉に出してしまうため、相手を傷つける場合がある。
→肌が黒い子もいるということがわからなければ、「黒い」という言葉を出してしまう。
→少しでも子どもの世界観が広がっていれば、子どもなりに別の関わり合いができるかもし
れない。
9. 部屋の中の様子を俯瞰しているような絵
部屋全体で、いろんな園児が遊んでいる、喧嘩している、騒いでいるなどの絵があり、客観
的に教室を見ることができる。
→客観的な視点の絵であれば、なぜ保育者が騒ぐと誰かに迷惑がかかると言っているのか意
味がわかるのではないか。
10. 支援が必要な子がいるということを考えるきっかけの絵
クラスで多動の子がいたとする。みんなが座っていても、教室を走り回っている。
→他の園児からすると、どうしてあの子だけ走って良いのか理解できない。
→支援が必要な子にも、落ち着けない状況であれば、走ってはいけないとは言えない。
→難しい課題ではあるが、このようなことを、子どもの視点で考える機会を作ることはでき
ないだろうか。
11. 子どもの想像力を掻き立てる絵
・土の中の絵
・海の中の絵
・ロケットの中の絵
・乳児、幼児、小学生、中学生、高校生、大学生、30代、40代、→ 90代の絵
・赤ちゃんが保育士になるまでの絵
・宇宙の絵
→子どもは経験したことのなかで、世界を広げていく。
→土の中の世界の絵があれば、土の中を考えるきっかけになるかもしれない。
→普段は、自分の視野の中での世界を見ているので、水の中、土の中などの絵があれば良い
かもしれない。
→七夕の時には、宇宙の絵があってもいい。
12. 物を大切にする絵
園にある机や椅子、牛乳など、身の回りの物が目の前にあるまでの工程を示した絵
→「木を切る→机にする→運ぶ→園に来る」など、様々な人が関わっている絵があれば、
大切にするかもしれない。
13. 空の吹き出しの絵
物を借りるときに、「 」ということを問いかける絵
14. ごめんねということを考える絵
わざとじゃないけれど、友達の足を踏んでしまった絵
→わざとじゃなければ謝らない子が増えている。
→客観的な絵があれば、考えるきっかけになるかもしれない。
15. 時間を考える絵
朝、昼、夜の絵
→時間感覚を考える絵
貴重なご意見をいただきありがとうございます。
今後のアートの制作に参考にさせていただきます。
Comments