ある保育園の園長先生とお話しをさせていただきました。
こちらの園長先生は、特別支援学校の教諭をされていたそうです。このご経験を踏まえて、ミッケルアート キッズ版へアドバイスをいただきました。
その内容をご紹介いたします。
ーーーーーーーーーー
1 キッズ版は、保育者同士の価値観を共有するツール
現場の保育者は、様々な園を経験している場合、
「以前勤めていた園ではこうだった」「私はこういうやり方が良い」
という意見で現場が混乱する場合がある。
これを一律のルールを決めようとすると、分厚いマニュアル本になってしまう。
また、子どもを中心に保育を考えると、一人ひとりの関わり合い方が異なるため、
マニュアル通りにはいかない。
解決方法の一つとしては、
・一つのテーマに対して保育者が意見を出し合い、互いの価値観を尊重する。
・自分の視野を広げるながら、互いに認め合うこと
である。
2 保育者の視点を広げるツールとして活用できる
例えば、靴のかかとを踏んでいる絵の場合。
「どうしてこの子は、靴のかかとを踏んでいるのだろう」と、
保育者同士で考える。
・くつのサイズが合わないかもしれない
・かかとを汚しているので、履けないかもしれない
など、1つのテーマで、保育者同士の意見を出し合うことで、互いの価値観を知り、
自分では考えつかなかった視点を得ることができる。
保育者の視点や価値観が多様になれば、子どもへの保育にも多様な影響を与えることが期待できる。
分厚いマニュアル本を作らずに、創造性豊かな思考を持つ保育者になることを目指す。
3 想像性豊かな保育者とは
例えば、トイレットペーパーをぐちゃぐちゃにして使う子がいたとする。
ゴールとしては、綺麗に畳んでつかう子だとする。
「こんなふうに綺麗に畳むんだよ」とゴールだけ伝えても、その過程がピンとこない子もいる。
その場合は、どのようなアプローチが、その子にとってわかりやすいのかをイメージさせる必要がある。
しかし、その子の発達に応じて、ふさわしいアプローチかどうか検討する必要がある。
そこで、保育者は、多様なアプローチを知っているとより良い。
ここで保育者間が話し合う。
・3回たたむという表現
・ミシン目を基準に、3回たたむという表現
・3回、くるくるくる、とやるんだよ、という表現
このように3通りの意見を出し合い、保育者同士が知っておくことで、
子どもに合わせて伝え方を変えることができる。
4 分厚いマニュアル本を作成するリスク
マニュアルを作りすぎることは、リスクがある。
・保育者が自分で考えなくなる。
・「マニュアル通りに私はやりました」と言うようになる
・組織として管理はしやすく、即戦力になるが、2、3年後に保育者が成長しなくなる
・仕事へのやりがいが失われ、離職する
・マニュアルに沿って成長しない子どもに、「気になる子」として見る傾向がある
このため、「嘔吐したときの対応マニュアル」等の最低限の決め事以外は、
保育者自身に考えさせることが大切。
子ども一人ひとりに向き合い、保育者同士で意見を出し合える環境を、園長がつくることが大切。
5 発達支援が必要な子の場合は、ティーチングを意識した絵の表現が良い
絵に「◯」「×」を示して、趣旨を伝える方法が、伝わりやすい。
6 発達支援が必要な子は、相手の感情を読み取る力が弱いため、それを高めるツールになる
また、喜怒哀楽の感情を表現した絵を使い、「この子はどういう気持ちだと思う?」と言い、
絵を通じて、相手の気持ちを考える力を育む。
7 キッズ版の説明動画
20分程度の動画になっていれば、保育者間で学びやすい
ーーーーーーーー
以上、柔軟な発想からアドバイスをいただき、大変勉強になりました。
引き続き様々な保育関係者様の価値観を学びながら、より良いアート開発に努めて参ります。
\もっと詳しく知りたい方はこちら/
Comments