先日、発達支援の勉強会に参加しました。
その際のメモです。
保護者や保育者の方にとって、いい気づきになれば幸いです。
1 発達支援の必要な子
・トライアンドエラーよりもエラーレスのほうがいい
2 性格とは行動の傾向
・性格は変わらない
・行動は変えられる
3 教育のターゲットは、子どもの行動である
・教育とは、適切な行動を増やし、不適切な行動を減らすこと
・指示を出す時には、行動指示をする
4 デッドマン(死んでいる人)でもできることは行動ではない
・静かにする
・廊下を走らない
・邪魔をしない
・騒がない
・じっとしている
・褒められる
5 行動を指示する
・静かにする →静かにAしましょう
・廊下を走らない →
・邪魔をしない →
・騒がない →
・じっとしている →
・褒められる →
※現在の行動に代わる、「その子にあった活動」を用意することが前提になる
※幼児には、小学生には、中学生には、など、その年齢に合わせた活動を用意する。
6 片付けをきちんとしなさいは伝わらない
・子どもは経験がないため、意味がわからない
・「きちんと」、「丁寧」では伝わらない
・行動指示とは、数えられる行動であることが重要
7 伝わる行動指示の例
・本を棚にしまいましょう
※数えられる指示は、行動が明確になる
8 伝わらない指示=高度な指示の例
・友達と仲良くしましょう
・ルールを守りましょう
・落ち着いて行動しましょう
・相手の気持ちを考えて行動しましょう
という指示は分かりにくい。あいまいであり、数に表しにくい。
※発達支援の子にとっては、状況を見て自分で判断して行動することは苦手であるため、表現をもっと具体的にする。
9 ABC分析
原因 行動 結果 を考える
・先行条件 :喉が渇いた
・行動 :ビールを飲む
・結果 :美味しかった
例1)
ビールを飲む行動を減らすためには、先行条件を揃えないようにする。
例えば、冷蔵庫にビールを置かない。=飲む行動が成立しなくなる=行動が減る
例2)
A先生の授業の時には、適切な行動をしている場合
A先生のときには、どのような条件があるのかを分析する。
10 行動を変えるためには、先行条件を変える
・先行条件:
・行動 :提出期限ギリギリに親に援助を求める
・結果 :
という場合は、先行条件を考える。
・そもそも宿題が多いのではないか
・宿題の進み具合を事前に確認する時間をつくる
先行条件を考えることで、教育的ニーズが見えてくる
11 何度もルール違反をする子
・先行条件:ルールが理解できていない、ルールが難しい、集団遊びが嫌い、苦手、困った時の対応スキルがない
・行動 :集団遊びで、ルール違反を繰り返す
・結果 :自分の意思を通すことができる
行動を減らすことを考える
12 原理
・近接領域弱化:しかる側は1点について述べているが、叱られる側は全体を否定された気持ちになる
・弁別の原理 :しかる人がすぐ近くにいるときには、大人しくなる。この条件が揃っている時のみ
・派生の原理 :嫌いな先生の服は、その服も嫌い
・反発の原理 :強く言われると、逆ギレする。強く言われると反発する。
13 スーパーにいくと、商品にさわってしまう
・先行条件、カートを押させる。
・結果、商品に触らなかったとほめる。
14 行動を増やす、減らすの関係について
・子どもが好ましくない行動をするとしかる =子どもからすると注目することになる
例)ゲームをしていたとき
・子どもが好ましい行動をしていると叱らない =子どもからすると無視される
例)普通に宿題していたとき
※子どもにとっては、好ましくない行動をした方が、注目をあびることに繋がる
好ましい行動(普通の行動)こそ、エネルギーを使って褒める=注目したほうがいい。
15 褒めるということは、すごいと言わなくていい
「聞いてて偉いね」
「Aちゃん、話を聞いているね」
「メモしているね」
16 障害について
・身体障害
・知的障害
・精神障害
※発達障害の中に知的障害は入らない
※発達障害は脳の機能障害ではない
17 発達は行動で考える
情報提供の仕方を考えなければならない
同じ光景を見ても同じことが見えていない
18 脳は、パターンを認識する
・ASDは、パターン認識が苦手
・ピンポイントな情報を伝える
・謎解きは極力なくす
19 アートの役割
・目に見えないものを見えるようにする
例)時間、流れ、文脈、ルール、気持ち
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