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事例発表・愛の家グループホーム高津野川様


ミッケルアート事例発表

 こちらの施設では、ミッケルアートを実施する中で、下記のような取り組みを行われまし

た。

・ご利用者の様子を 1 年という長期にわたり観察

・ご利用者それぞれに合わせた評価内容を点数で数値化

・数名のスタッフで評価を行うことで、数値を平均化し、より信頼性をアップ

 上記にように、工夫してご利用者の様子を観察した結果が、施設内での研究大会にて発表されました。

 1 年を通して、変化を観察した結果、「ミッケルアート」による、昼夜逆転や介護拒否な どの BPSD の軽減や、ご利用者の不安を取り除くことができる効果を実感できたそうです。

 また、ミッケルアートを活用することで、実際に、過去の生活歴や、ご家族も知らなかった 情報が出てくることもあるそうです。

 今後は、現在施設で行われている色々なレクリエーションへと広げることができる可能性を感じているとのことでした。

以下、発表内容

研究方法

・実施時間 : 週に 2 回 13 時半から 15 時の間の 20 分間

【事例 1】 ・名前 : M さん ・年齢 : 93 歳 ・要介護 : 4 ・既往歴 : アルツハイマー型認知症 性格:活発で社交的、気が強く攻撃的な一面も。

・特徴 : 短期記憶が著しく低下している為、帰宅願望がとても強い。

M さんの課題

 ① 帰宅願望の軽減  ② 不安な気持ちを取り除く

 ③ 信頼関係の構築

ミッケルアート開始後の変化

1 ヶ月後

 ...帰宅願望等の変化はほとんど無し。ミッケルアートへの興味は少し有り。

6 か月後

 ...ミッケルアートには拒否なく参加。積極的な発言や相槌もあり、昔の話もたくさんするようになった。「帰りたい」発言が減少。

1 年後

 .....スタッフの顔を見る度に微笑んで話すようになった。ミッケルアートに積極的に参加。 落ち着いて過ごすようになった。

結果

 ・帰宅願望の軽減は達成できた。

 ・不安を訴えることが減った。

 ・信頼関係の構築もでき、介護拒否も軽減。

 

【事例 2】

・名前 : H さん ・年齢 : 70 歳 ・要介護 : 3 ・既往歴 : レビー小体型認知症、うつ病 ・性格 : 物静かで、こだわりが強い

・特徴 : 笑顔がほとんどなく、他のご利用者とのコミュニケーションがうまく取れない。心因性で体が震えると訴え、無意欲。

H さんの課題

 ① 震える心配を取り除く。

 ② 日中の傾眠を減らす。

 ③ 他の方と交流できる。

 ④ 意欲を引き出す。  ⑤ トイレの回数を減らす。

ミッケルアート開始後の変化

1 か月後

 ... 開始前と大きな変化はなく、ミッケルアートの参加を拒否されることが多いが、参加すると、嫌がる素振りもなく、質問にも答える。

6 か月後

 ... ミッケルアート中は、他のご利用者と会話が増え、体の震えやトイレに行く回数も格段に減少。日中はフロアで過ごす時間が増加。ミッケルアート中は、心配事や不安感が減少した様子。

1 年後

 ..... ミッケルアート以外でも他ご利用者と交流されることも増え、笑顔も増えた。

日中もフロアに出てくる機会が増え、起きて過ごす時間が増加。

結果

・ミッケルアート中のみ、震える心配を減らすことができた。

・日中の傾眠を減らすことができた。

・他ご利用者と交流できるようになった。

・「意欲を引き出す」は、変化がない。

・ミッケルアート中のみ、トイレに行くことが減った。

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