第16 回大老協懇話会にて、ミッケルアートについて発表されました。
こちらの施設では、定期的に勉強会や会議を行い、職員みな様でしっかりとコミュニケ
ーションをとりながら、ミッケルアートに積極的に取り組んでいます。その為、施設全体の変化が分かる結果・考察となっています。
今回は、「ミッケルアート回想療法士(以下認定士)」の認定を受けて以降、ミッケルアー トの実施について、
・どのようにすれば多くの職員にスムーズに伝達出来るか
・無理なく継続出来たか
・上記に伴うご利用者の変化について
研究されました。
認定研修で実際に自分自身が行い、ミッケルアートを理解し効果を確かめ、勉強会で他の職員の理解を得て、説明会で実施方法を伝達すれば、段階を踏むことができるので、スムーズに負担なく行えたそうです。
ご利用者にとって、より良いケアを行う事が最善であるので、それに向かって進んでいく為にも、今後も段階を踏んで他の職員と共にケアにあたっていきたいとのことでした。
以下、発表内容
研究方法
・研究期間 : 平成 26 年 12 月 15 日~平成 28 年 4 月 30 日
・対象者 : 認知症の診断を受けた入所者。(特に昼夜逆転や、介護拒否のある方のうち 3 名)
・実施日時 : 週 2 回 10:00~10:20、火・木曜日
※業務の都合や行事等で実施が困難な場合は、別の曜日に行っても良い。
・実施内容 : ミッケルアート回想療法士の認定研修を受ける。施設内でミッケルアートの勉強会を年 2 回開催。 ミッケルアートをどのように行うかリーダー会議で決定。 個別に実際に行う職員に行い方の説明会を開催。 行った職員に、ヒヤリングとアンケート調査を実施。
結果
1. 不安感の訴えの多いご利用者が、積極的に職員に話かける事が増えた。又、笑顔での
会話が多くなった。
2 . 全ての週でミッケルアートを 2 回実施する事が出来た。又、実施する職員の経験年数
の差があっても、支障なく行えた。
3 . ヒヤリングやアンケートの結果、ほぼ全ての職員がミッケルアートを行う前は、難しそうであると感じていたが、行った後には、楽しく行う事が出来たとの結果が出た。
考察
1 . 多くの職員がミッケルアートを行うので、ご利用者は、多くの職員とのなじみの関係
が形成でき、不安の軽減に繋がり、安心感を与えられる様になったと考えられる。
2 . 実施日を完全に固定せず、ゆとりを持たせる事で、継続してミッケルアートを行える 環境に繋がったと考えられる。
3 . 勉強会の後に実施方法の説明会を行い、段階を踏んだことで、職員の負担を軽減出来た事が良い結果に繋がったと考えられる。
参考文献
鈴木正典:認知症予防のための回想法、日本看護協会出版会、2013 年
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