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児童発達支援・放課後デイサービス【発達支援とアートの必要性とは?】



以下は、ミッケルアート開発メンバーと話し合っていた際の議論です。

福祉系で働く皆様の「気づき」に繋がれば幸いです。

 

このメンバーは、中学校教諭一種免許、中学の教員免許、高校教諭一種免許、特別支援学校教諭、その他の資格として、「児童発達支援士」「発達障害コミュニケーションサポーター」「SSTスペシャリスト」などを取得されています。


1. 議題「発達支援とアートの必要性」


当時、ミッケルアートキッズ版のような情報量が多すぎない場面のイラストを欲しいと思っていました。

なかなか場面を絵にするのは難しいので、少ない無料教材の中から使うしかできなかったからです。


2. 資格の取得理由


こどもサポート教室Aは児童発達支援・放課後デイサービスを行っている場所です。ほとんどの校舎が個別支援を行っています。場所によっては集団支援を行っているところもあります。私は両方の経験をさせていただきました。

こどもたちは十人十色で、その子にあった支援は異なります。ですが、1対1で向き合える環境だからこそ見えてくるものもあり、その子に合う支援を考えるのはとても楽しいものでした。

 

このAに勤める前は中学校で講師をさせていただいており、各クラスに1人以上は困り感を抱えている子がいたことを覚えています。『発達障害』という診断が出ていなくても、もしかすると検査ではそう出てしまう子もいると思っています。私はその子自身あるいは保護者がその子の困り感に気付いて、児童発達支援・放課後デイサービスなどの新たな居場所に行けるのは良いことだと考えています。こどもたちが生きやすいようにしていくには、現場でいろんな子と会い、支援を考えていく経験が何より大事だと思います。


このように考えている際に、私は発達障害について本当に理解をしているのだろうかと疑問に持ち、手ごろな資格の勉強をすれば少しは身につくのではないかと思い、3つの資格、さらには特別支援学校教諭の資格を取得すると決めました。




3. 現場で感じた困り感


3-1. 教材の質の良いものでキープしていくこと


Aは主に個別が中心だったので、その子に合った支援教材が必要でした。その子の苦手を克服するという面よりは得意なことを伸ばそうというのが中心で、教材を探すことにとにかく時間をかけていました。得意なこと、つまり興味関心があるところからのアプローチするための教材作りがとにかく時間がかかりました。

 

例えばAくんは文字を書くことや足し算・引き算が苦手で、集中力も続かない小学5年生の男の子です。興味があるのはポケモンとアンパンマン。ここで、レベルを下げて小学1年生の売っている教材をやったところで、彼にとってはやらされていると感じるだけであり、何も身につかない無駄な時間になるにすぎません。ここで、興味のあるポケモンを題材に計算ができたらそのポケモンがゲットできるという視覚的にも楽しい教材を作成しました。すると彼は興味を持ち、座っていることもままならなかったのに、座って鉛筆で算数の計算を行えるようになったのです。身につくまでは時間がかかりますが、成果が出てきたと感じます。

 

一方で同じ教材を使っていてもやはり飽きてしまうことや彼のレベルに合うよう毎回作り替えが必要でした。しかし、個別で見ているとしても彼だけに準備時間が使えるわけでなく、他の子の支援準備も必要なので彼にかける時間は少なくなってしまい、結果的に質の良い教材を毎回作ることは難しいと感じていました。


3-2. 他国籍の文化の違い


私は一つの校舎だけではなく、外国人校舎の児童発達支援管理責任者を務めたこともあります。そこではブラジルの子が多く利用されており、職員もブラジル国籍の方がいました。また、Aでの子たちは集団活動の利用をされる子がほとんどでした。この子たちは日本で生活しており、日本の学校に通っている子がほとんどだったので、日本の学校に沿った文化を身に着けることが良いと考えていました。集団支援の利用の開始が教室に集まったら開始という流れでした。

 

そこで私は開始と同時に「おはようございます。」や「お願いします。」と言うべきだろうと職員に伝えたのです。するとブラジルの方は「ブラジルではそんなことしない。教室に入ってくるときに個別であいさつをしているのだからする必要はないだろう」と。また、ここではおやつの時間があったので一斉に「いただきます」と言うべきだと伝えたところ同じ反応でした。

 

個別でやっていれば集団でやる必要がない。私たちの当たり前を見直すきっかけにはなりました。日本の戦時中は集団行動を大事にしており、その文化の残りなのだろうと。しかし、日本の学校に通ったり、日本の会社に就くためにはこの文化を受け入れる必要もある。この問題については解決できないままです。


3-3. デジタル化していくことで、支援のやり方の変化


算数の計算が苦手な子にはもう場数を踏むことや経験を積ませることが何よりで、その子のためになるだろうと考え、そのための教材を作ってきました。毎回100マス計算などをやることで、処理速度の向上はできてきたと思ってます。しかし、Bくん(中学1年生)は「電卓やパソコンがあるから計算に時間かける必要はない。計算が難しい、大変なのだから電卓やパソコンができたのだろう」と。また、彼は書字が苦手で、漢字も書けませんでした。しかし、パソコンの腕は誰よりも長けており、パソコンで打ち込んだ漢字は意味もすぐに理解していました。

 

Cさん(中学3年生)は買い物が好きなのにお金の計算とアナログ時計を読むことができない。しかし、「ママがカードにお金入れてくれているからそこから払えるし、時計もスマホがあればすぐに分かる」と言ったのです。たしかにお金の計算をせずとも商品の合計と入金されている金額の大小さえ分かってしまえば買い物はできてしまうのです。さらに彼女の買い物はすべてネットでした。足りなければ残高不足です、と出てしまう。

 

となると大小関係さえ覚えなくても買い物ができてしまうのです。では、私たちはこの便利になった世の中で何を教えていく必要があるのでしょうか。極論から言うと身辺自立さえでき、かつある程度人と話すことができれば生きていけてしまうのではないでしょうか。このように進歩していく世の中で、支援のやり方はどうあるべきなのかが悩みどころでした。

 

 

日々私たちはこのような議論を通じて、社会課題に目を向け、課題解決に導くためのアートの開発を目指しています。

皆様の気づきに繋がれば幸いです。

最後まで記事を読んでいただきありがとうございます。

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