私たちは27箇所の保育園に「新人育成担当者の悩み」についてアンケート調査を行いました。(2021年実施)以下の文章は、その結果をもとに作成しています。福祉系で働く皆様の「気づき」に繋がれば幸いです。
【目次】
課題
原因
解決策
効果
1. 課題 「新人育成担当者の悩み」
OJTリーダーが直面している悩みには以下が含まれます:
(1) 考えて動けるようになってほしい
保育中、子ども同士がけんかになり、先輩が子どもと話し合いをしていた。その様子を見ている他の子どもがずっと待っていたため、新任に「絵本読んで進めていて」というと絵本を探しに行った。
(2) 自分の仕事が終わったら他を手伝ってほしい
明日の保育の準備を新任と先輩が一緒に行っていた。わかりやすく担当を分けていたが、新任は自分の仕事が終わると先輩に声をかけずに他の仕事に戻った。保育はチームで動く必要があるため、ホウレンソウができるようになってほしい。
(3) ホウレンソウを心掛けてほしい
自宅でケガをした子どもの保護者がけがについて新任に伝えた。新任はガーゼを貼っていたので先輩に報告しなくて分かると思ったらしく、先輩に報告しなかった。
(4) 分からない保育の言葉があったときは、質問してほしい
1日の終わりに、「今日の保育はAAの点でBBという状況だったので、このような保育だと怪我をするリスクが高くなります。CCという点に気をつけていきませんか?」と言うとあいまいな返事をした。メリハリのない保育は怪我をしやすく状況を把握しにくいという意味だと言うと「何が課題なのか何か分からなかったです」と言っていた。リスクについて理解を深めることと、わからない場合は質問をしてほしい。
(5) 状況を説明する力をつけてほしい
園で転んでおでこを打った子がいた。新任は転んだ様子を見ていたが、「うまく説明できない」というため、先輩と新任が保護者に説明した。
(6) OJTリーダーの負担が大きい
月案や行事の案作成を担当している新任が、具体的な案を考えずに先輩に提出した。先輩は細かく添削しなければならないので、家に持ち帰る仕事が多くなった。
(7) 指摘すると不機嫌そうな態度をみせる
新任が、保護者から、A君の迎えが、母から祖母に変更したと連絡を受けたが、先輩に伝えなかった。先輩が変更を伝えなかったことを尋ねると「何度も来たことのあるおばあちゃんだから報告はいらないと思った」と不機嫌な顔になりその場を立ち去った。
(8) 臨機応変が分からない
今日は製作をしてから外遊びをすることを新任と先輩とで決めていた。しかし、ぐずる子どもがいたため、先輩が予定を変更して先に外遊びに行ってはどうかと提案すると「言っていたことと違います」と伝えてきた。子どもの動きを見て変更したことを伝えると臨機応変した意味が分からなかったですと言っていた。
(9) メモを取らない
給食の配膳方法が変わり新任にメモを取るように勧めると、先輩が教えてくれるのでメモはいらないと言っていた。
(10) 園長や主任が新任育成を任せっきりにする
月案週案や製作物の確認など新任に関することはすべてOJTリーダーが請け負っていました。園長から「あなたならできる」と言われ全て任されていた。業務が多すぎる点と、自分の担当する新任がすぐに辞めたらどうしようとプレッシャーになった。
2.原因
これらの悩みは、教える側と教わる側の双方に原因があることが推察されます。また、OJTリーダーに指示を出す管理職クラスにも指示の出し方に問題があります。
3.解決策
これら悩みはミッケル研修「新人OJTリーダーひとかじり研修」で解決できます。
上記の悩みの中で、園長からの指示以外は、OJTリーダーの教え方と教える内容を整えることで、半分以上の課題を解決に導くことができます。OJTリーダーの関わり方、教え方を工夫することが重要です。
研修時間の目安:週2回、1回あたり15分の隙間時間を活用
研修期間:約3ヶ月
研修テーマ:教え方の向上
4.効果
子どものメリット:保育士同士が連携すること、一人ひとりの保育が深まる。
保護者のメリット:中堅保育士が育つため、保育の質が安定する。
OJTリーダーのメリット:新任の育成へのフォローの時間、ストレスが削減できる。
経営的メリット:中堅保育士のフォローの時間が6ヶ月間、毎月約3時間削減できるため、18時間×1,200円=216,000円の生産性が向上し、新任離職のリスク(人財獲得コスト500,000円)が回避できる可能性が高まる。
次世代リーダーの育成は、多くの法人での共通の課題となっています。私たちは施設経営の課題解決に尽力して参ります。
隙間時間で次世代リーダーが育成できる「ミッケル研修」(保育版、通信制)について詳しくはこちらをご覧ください。
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